楠の木の歴史
船小屋には「含鉄炭酸泉」にならぶもう一つの名所があります。
それが矢部川沿いの中ノ島公園内にある「大楠林」です。
中ノ島公園の「大楠林」
この林は東へ約6キロ、同公園内だけでも約1,300本のクスノキが生い茂っており、中には樹齢約400年・高さ約30メートル・胸高周囲約2メートルにもなる巨木も見られます。
しかしこの「大楠林」、自然林ではなく人口林なのです。
クスノキは江戸時代・元禄8年(1695)立花町に「千間土居」といわれる堤防が築かれた時に柳川藩が矢部川の堤防工事をした時に植えたとされています。
当時の文献を見ると同藩普請奉行・田尻惣助とその子惣馬が築いたとされています。
しかし惣馬は元禄8年、藩主・立花鑑虎のお供で江戸にいたとされており、「千間土居」を築いたのは父親の惣助で、惣馬はその後の工事の指揮官をしたと言われています。
田尻惣助・惣馬父子のつくった中ノ島公園の「大楠林」
現在では毎年7月には「筑後船小屋花火大会」が盛大に開かれています。
参考資料:筑後市史 第二巻,筑後郷士史研究会誌 第37号